紳士淑女の皆様、ご機嫌いかがでしょうか。
突然ですが、皆さんは自分が買い物をするスーパーにこだわりはありますか?
例えば、「ここのスーパーは品質が良いからここでしか買い物しない」とか「ここより安い店舗は無いからここでしか買い物しない」とか、などなど。「近くて便利だから」という理由で立地の良いスーパーを選ばれる方も多いかもしれません。
しかしながら、イギリスではスーパーマーケット事情は、階級が意識されるという点で日本と少し事情が異なります。そんなイギリスのスーパーに関連する情報を本記事ではお伝えします。
これから留学に行く方、旅行に行く方、単にイギリス事情に興味のある方の参考になると嬉しいです。
階級ごとに使うスーパーが違うって本当?
先に結論から言うと、半分本当で半分ウソ。イギリスは日本とは異なり、国民全体が自身の属する階級をある程度強く意識して生活しています。
階級は、上流階級・中流階級・労働者階級に分けられますが、スーパーマーケットや学校など利用するサービスの選択にその階級意識が多少は反映されています。
しかし、だからと言って鮮明にその区別がされているかと言うとそんなことはありません。ですので、ここでは、半分本当で半分ウソというのが適切な答えかと思いました。
上流階級
上流階級は、王族・貴族が該当し、いくら所得が高くても爵位やそれに該当する地位が無いと上流とはなりません。発音やマナー、教育など、幅広く高いレベルの教養を身につけていることが求められます。
人口に占める割合は数パーセント程度と言われます。
中流階級
中流階級は、基本的に専門職が該当します。
教師や教授、士業、医師、コンサルタントまたは実業家など自身でビジネスを営む者が該当し、経済的にも安定している階級と言えます。
中流階級の中でもUpper Middle, Middle Middle, Lower Middleと3段階に分類されます。人口に占める割合は40〜50%近くと言われています。日本で言う「中流」とは意味合いが少し違います。
労働者階級
労働者階級は、主に工場員、警備員や清掃員、お店のスタッフなどブルーカラーの仕事がこの階級に該当します。英語の発音や語彙に特徴があり、有名なアクセントではロンドンのコックニーがそれに当たります。人口に占める割合は約50%程度と言われています。
上流階級は、生活様式が異なりますので本記事では触れませんが、中流階級と労働者階級とでは普段使用するスーパーマーケットが異なる場合があります。
当記事では、どんなスーパーがあり、どんな階級の人々がどこで買い物をしているのかを解説して行きます。
Kayのメモ
学生時代に英国の階級に関する文献を読み漁っていましたが、昔は、同じ建物のパブでも入り口と飲む場所が階級で分けられていたとか。兎に角この国の生活は、階級とは切っても切れない関係にあるのです。
それから日本で「階級」というと非常に差別的だと捉えれられるかも知れませんが、イギリスではそれほどではありません。日本のような変な妬みもあまり無い気がします(私が無頓着なだけかも知れないけど)。各階級が自身の属する階級に誇りを持って生きているのです。
私も両階級に友人がいますが、両者とも同様の意識を持っています。
英国スーパーマーケット大全
私が英国で生活していた時に利用したことのあるスーパーを基本にご紹介します。これらが全てではないのですが、主要スーパーは網羅できています。
また、階級ごとに入店して良いスーパー・入店できないスーパーのようなルールは存在しませんので、あくまでも傾向ということで誤解の無いようお願い致します。
各社のシェア率を見てみよう
各社のシェアは以下の通りです。
少しデータソースが古いですが、現在も大きく変わらないはずです。こう見るとやはりTescoが突出していますね。
※Icelandは冷凍食品の専門スーパーなので、当記事での紹介は少し毛色が異なるため割愛させていただきました。
順位 | 企業名 | シェア率 |
---|---|---|
1 | Tesco | 26.4% |
2 | Sainsbury’s | 14.3% |
3 | Asda | 13.4% |
4 | Morrisons | 9.5% |
5 | Aldi | 9.5% |
6 | Lidl | 6.6% |
7 | Co-op | 5.3% |
8 | Waitrose | 4.1% |
9 | Marks & Spencer | 3.2% |
10 | Iceland | 2.3% |
(https://www.express.co.uk/life-style/life/1344243/tesco-asda-marks-and-spencer-morrisons-waitrose-delivery-rules-online-groceries-uk)
ドイツ系ディスカウントスーパー(低価格帯)
主に労働者階級〜中流階級(Lower Middle)が多く利用している傾向。
Aldi
By Europeanguy42, CC BY-SA 3.0, Link
正確にはドイツのスーパーなのですが、もうイギリスのスーパーと言っても過言でないくらい国内に店があるので紹介します。調べたところ、約1,000店舗ほど展開しているとのことでした。
Aldiの特徴はなんと言っても安さです。
私はSainsbury’sに次いでAldiをよく利用していましたが、パスタソースが一瓶50〜100円で買えたり、お菓子も破格の安さのポテチが売っていたりと、兎に角安さが売りのスーパーです。
野菜はあんまり新鮮なものは無かった記憶がありますが、ちゃんと野菜や肉など生鮮食品も取り扱っています。
Lidl
By Jérémy-Günther-Heinz Jähnick / Somain – Lidl (01) / Wikimedia Commons, CC BY-SA 3.0, Link
こちらもAldi同様にドイツのスーパーです。
店舗数は、こちらも約1,000店舗ほどで、国内シェアもAldiに次いで6位です。LidlとAldiは看板の色・雰囲気も価格帯もよく似ているのですが、一つ大きな違いがあります。
それはLidlには手作りのベーカリーがある店が存在すること(無い店もあるけど)。
菓子パンみたいなのが多いのですが、結構美味しかった記憶があります。私のような苦学生や少しでも現地で節約したい方は、Lidlも良い選択肢となるでしょう。
英国BIG4 + Co-op(中価格帯)
労働者階級(比較的余裕のある)〜中流階級(Middle Middle)が多く利用している傾向。
Tesco
By Martin Bodman, CC BY-SA 2.0, Link
日本でも「つるかめ」というスーパーを買収して2003年から2011年まで操業していましたが、イオンに買収され、日本での短い歴史に幕を閉じました。英国では約2,800店舗を構える最大チェーンです。
都市型のTesco Expressや駅のキオスクにあたるTesco Metroなどの小型のコンビニのような豊富な店舗型もTescoの特徴で、イギリス各地どこに行ってもよく見かけます。
ガソリンスタンドも展開していますね。
Asda
By Keith Evans, CC BY-SA 2.0, Link
イギリス国内では600店舗以上を展開しています。マーケットシェアは国内3位です。結構さまざまなモノがお得に手に入る印象でした。
因みに、イギリスは日本と違いたばこの値段が店によって異なります。とは言っても微々たる違いなのですが、Asdaはたばこが一番安かったです。
私は今年禁煙してしまいましたが、喫煙者の方には強い味方になるかもしれませんね。郊外にあることが多く、広い駐車場が特徴です。
Sainsbury’s
By Stacey Harris, CC BY-SA 2.0, Link
イギリス国内では約1,400店舗を展開しており、マーケットシェアは首位のTescoに次ぎ国内2位となっています。英国滞在時に私が最もよく利用していたスーパーです。
価格はTescoとAsdaよりも少し高い印象ですが、生鮮食品の品質が良かったです。
結構アジア系の食品もよく取り揃えていた印象があります。Yutakaという日本食ブランドがあり、ここは品揃えが充実してました。
Morrisons
Public Domain, Link
私の暮らしていたプール・ボーンマスエリアではあまりお目にかかる機会がなく、私も利用したことがありません。
約500店舗をイギリス国内で展開しているようで、イギリス国内で4番目に大きいスーパーです。Tesco, Asda, Sainsbury’sと共にイギリススーパーマーケットの4大スーパーとしてカウントされています。
The Co-operative
By TaleTreader, CC BY-SA 4.0, Link
コンビニのような小型店舗も含めるとおよそ2,500店舗をイギリス国内で展開しています。
価格は抑えつつも、自社ブランドの商品に力を入れているスーパー・コンビニチェーンです。
大型店舗があまりなく、コンビニとスーパーの中間のようなサイズの店舗が多い印象です。イギリス国内各地で利用可能です。他のスーパーとは、少し毛色の異なるスーパーですね。
高級・高品質系(高価格帯)
中流階級のMiddle Middle〜Upper Middleが多く利用する傾向。
Marks&Spencer
By Dr Neil Clifton, CC BY-SA 2.0, Link
通称M&S(エムネス)で知られるスーパーです。イギリス国内では、1,000店舗弱を展開しています。
M&Sの最大の特徴は、ほぼ全ての商品が自社ブランドの商品であること。自社で品質管理をしていることでそれなりに高いクオリティが維持されているスーパーです。
その分他社と比較しても、価格は高めです。私はたまに利用していましたが、お気に入りのスーパーの一つで、経済的な制限が無ければ毎日でも利用したかったと思うほど好きなスーパーです。
Waitrose
By A_P_Monblat, CC BY-SA 3.0, Link
英国内で300店舗以上を展開する高級スーパーです。日本で言うところの成城石井のようなイメージですかね…
M&Sがほぼ全て自社ブランドである一方、Waitroseは自社ブランドも一般商品も両方取り揃えています。品質に凝った商品を多く揃えており、英国御用達(ロイヤルワラント)も与えられている高級スーパーです。
国内シェアは高くありませんが、格式は一番で「高級スーパーといえばWaitrose」と誰もが思うようなスーパーです。
「そうだ、イギリスでスーパー巡りしよう。」
各地のスーパー巡りを楽しむ
旅行に行くと私がいつもすること、それは現地のスーパーやコンビニで買い物をすること。日本国内の旅行でも必ず現地のスーパーに入るのですが、地域によって大なり小なり違いがあります。その違いが何とも言えなく面白くて大好きです。
沖縄に行った時は、見たこともない魚の刺身が陳列されていたり、おつまみコーナーに砂肝ジャーキーがあったり。逆に私の住む街はサーフタウンで、コンビニにはサーフボード用のワックスやサーフグッズが売られていたりしますが、他の地域では勿論そのような商品は見たことがありません。
日本国内でもこれだけ異なるのですから、海外のスーパーマーケットとなると違いの宝庫です。思い切ってスーパーに入店してみましょう。
その時に本記事で触れているような事前情報が少しでもあると、その店の特徴などに気づくことが出来て面白いと思います。価格の違いは勿論、生鮮食品の取り扱い数やどんな日本食が売られているかなど見ているだけでも興味深いです。
イギリスでは、蕎麦の麺はあるのに、蕎麦つゆが売られていないなんてことがよくありました…
イギリスのスーパーに行ってみよう!
これから旅行や留学でイギリスを訪れる方は、是非イギリス各地を巡ってみてください。スーパーマーケットだけでなく様々な発見があると思います!
便利なリンクもこちらに貼らせていただきますので、宜しければご活用ください。
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今回は以上です。最後まで読んでくださりありがとうございました。もし記事がためになった、参考になったという方は下のブログ村のボタンをポチッとしていただけると嬉しいです。
次回はオーストラリア編をお届けする予定です。
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