流山に続き第2弾は、海外編でお届けします。学生時代を過ごした英国ドーセットの港湾都市プール（英：Poole）をご紹介します。イギリスのローカル都市に興味のある方、これから学生として渡英される予定のある方に向けて書いてみました。
プール（Poole）とわたし
冒頭でも書いている通り、学生時代をプールで過ごしました。筆者にとっても非常に思い出深き地であります。学業もアルバイトも通院も海外で一通り経験したのが、この場所です。
どなたのものなのかは存じ上げませんが、ブリティッシュレーシンググリーンのジャガーX-typeがアパートの近くの駐車場によく停まっていて「かっこいいなぁ。いつかは俺もこんなクルマに乗りたいな…」と思いながら買い物袋を片手にそのX-typeの横を通っていたものです。
卒業後に旅行で訪れた時は、市内の雑貨屋の前にブラックパック仕様のXJ（X351）が停まっていて、これもまた痺れました。
プール（Poole）ってどこ？
プール（Poole）はイングランドのドーセット州（Dorset）にある都市です。古くは港湾都市として栄え、今でもプール港には小型から中型船舶が停泊しており、その様子を見ることができます。
東はドーセット州最大の都市であるボーンマス（Bournemouth）と、西はパーベック（Purbeck）、北はイースト・ドーセット（East Dorset）と接しています。
プール（Poole）の歴史
歴史的な見どころ：★★☆☆☆
プール（Poole）の歴史。それは港の発展と衰退。
産業革命時代には、プールは港町として急速に発展を遂げたそう。当時は殆どの住民がプール港（Poole Harbour）での職に従事していたそうです。しかし、産業革命が進んだことによる船の巨大化で更に水深が深い港が必要になり、そこで台頭してきたのが、The Beatlesで有名なリバプール（Liverpool）とタイタニック号が出帆したことで有名なサウサンプトン（Southampton）です。両港訪れたことがありますが、やはり停泊している船のサイズはプールのそれとはかなり違う印象を受けました。
プール博物館（Poole Museum）が港へ向かう途中にありますが、ここを訪れればプールの歴史が大体理解できます。私も行きましたが、展示もそこそこ充実しており、街の歴史を理解するには最適な場所と言えるでしょう。※現在臨時休業中（2023/3/16）
ドーセット州内には、コーフ・カッスル（Corfe Castle）やストーンヘンジ（Stonehenge）、ダードル・ドア（Durdle Door）など世界的にも有名な史跡があるのですが、プールにはそのような場所があまりありません。但し、街全体は古い建物が多く、歩いているだけでも歴史が感じられる街であることは間違えないです。
プール（Poole）の交通手段は？
交通の便利さ：★★★★★
イギリスの交通ルールは、日本と同様、左側通行・右ハンドルです。日本の交通ルールと大差はありませんが、特徴はラウンドアバウト（環状交差点）が点在していることくらいでしょうか。右側通行の国に到着してバスやタクシーに乗ると「海外に来た！」となるのですが、イギリスでは全くその違和感が無く、ちゃんと建物を見ないと何だか遠い場所に来た気がしないのも面白い所です。
プール（Poole）の主な公共の交通手段は、電車とバス（路線バスと長距離バス）となります。ターミナル駅のPoole Bus Stationからはお隣の街ボーンマスへ行く路線バスやストーンヘンジへ行く観光バスなど様々な路線のバスが発着しています。ナイトバスも運行しており、ボーンマスのナイトクラブで遊んだ後でも、最終バスを気にせず遊ぶことが出来ます（※割増運賃）。ヒースロー空港（Heathrow Airport）やガトウィック空港（Gatwick Airport）からであれば、National Expressの高速バスで乗り換え無しでアクセス可能です
↓予約サイトomioのHPです。英国全土の格安チケットが比較・予約できます。
この記事を読まれている方は、Bournemouth University（Talbotキャンパス）やArts University Bournemouth、ボーンマスの語学学校へ通われる方が多いかと思います。Bournemouth UniversityやArts University Bournemouthへ通学される方であれば、morebus社の学生用パスを発券することが可能ですので、それでプール市内およびボーンマス市内を散策することが可能です。ボーンマス市内には語学学校がいくつかありますが、市内の主要部近辺であれば、プールからはmorebus社のm1, m2ルートでアクセス可能です
↓morebus社のHPです。路線図と時刻表が見れます。
電車についてはNational Railの駅であるプール駅（Poole Station）があります。鉄道でもロンドンヴィクトリア駅からプールまでアクセスすることが可能です。因みに、プールからボーンマスに出るにはバスだと30分以上かかりますが、電車なら10分程度でアクセスできます。急いでいる場合は、電車を選択しましょう！
空港はお隣の街ボーンマスにボーンマス空港（Bournemouth Airport）があります。こちらの空港は通年で就航している路線は無く、多くが夏季限定路線であったりチャーター便が殆どです。次回、ボーンマスの紹介で書こうと思いますが、空港近くの航空博物館は見応えがあります。
プール（Poole）の気候はどう？過ごしやすい？
過ごし易さ：★★★★☆
英国南西の、しかも海に面した場所に位置するため寒いと言われ英国の中では温暖な方に分類されます。5〜9月は花が町中で綺麗に咲き、緑が溢れる季節となります。夏場でも最高気温は25℃くらいで日本の蒸し暑さとは無縁です。10月になるころから徐々に寒くなりはじめ、3, 4月までは寒い日々が続きますが、雪は滅多に降りません。
プール（Poole）の治安は大丈夫？
治安（英国基準で）：★★★★☆
Pooleは英国内ではかなり安全な部類に入る都市と言えるでしょう。2023年3月時点のNUMBEOの指標を見ると、人種的な理由の犯罪率はVery Low（＝極めて低い）となっており、留学生や駐在の方でも安心して過ごせる街です。自動車の窃盗や強盗の発生率も低いとされています。筆者が滞在していた頃も大きな事件などは起きませんでしたし、街全体がのんびりとした雰囲気で安心して過ごせました。
但し注意していただきたいのは、日本の「安全」とは少し捉え方が異なるという点。夜間の独り歩きの安全度はLowと評価されており、依然として注意が必要です。日本は安全で良い国と言われますが、日本の常識は世界の非常識であることも認識する必要があります。
当時、私はアルバイトをしていたのですが、帰りが正午近くになることも多々ありましたが、迷惑な酔払いがバスに乗って来た時は、「何か起きるんじゃないか」と車内の緊張感が少し高くなるのを感じました。夜間の不要な単独外出はやめましょう。実際に客が客をつまみ出すという珍事や歌い出すおばさん三人組や色々珍事はあるのですが、またの機会に書こうと思います。
プール（Poole）の医療施設は充実してる？
医療の充実：★★★★☆
プール市内には、総合病院であるプール病院（Poole Hospital）があります。イギリスの医療制度は、NHS（National Health Service）と呼ばれる公共医療とプライベート病院があり、保険制度を使用して治療を受けられる病院は前者となります。NHSの医療サービスを受けるには、GP（General Practitioner）、日本で言うかかりつけ医を受診し、そこから専門病院への紹介を受けますが、プール病院もGPの病院ですので、何かあった時には安心です。
プール病院以外にも病院は市内各地にありますので、病院へバスやタクシーを乗り継いでいかなければならない心配は無いでしょう。
余談ではありますが、歯医者についても書いておきます。歯の治療には、ご注意ください。日本では保険適用で治療を受けられますが、英国で歯科はほぼ自費診療となります。しかも、診察まで2〜3週間待つのは当たり前。筆者は英国で歯髄炎になったのですが、4日間ほど悶絶しながら徒歩とバスで歯科を探す日々を数日送りました。日本だったら飛び込みで何とか診てもらえることもあると思うのですが、ここでは、痛み止めを飲んで待つことくらいしか出来ませんので、皆さんちゃんと歯磨きしましょう！笑
学部や大学院に通う方であれば、NHSは確か強制加入だったと思うので心配無用かと思いますが、語学学校に通われる場合は、NHS対象外だったと思うので、クレジットカードの付帯サービスを確認したり、追加で必要に応じて保険に加入されることをお勧めします。
プール（Poole）での楽しみ方５選！
①お気に入りのパブで一杯
安定のパブです。Poole Quayの周辺にはパプが立ち並んでいます。長期間滞在する方は、ご自身のお気に入りのパブを見つけてリフレッシュしたい時に一杯飲みに行くなんてのも良いですよ。実は、英国では曜日毎に定番メニューがあり、金曜日はFish Fridayでフィッシュ&チップス、日曜日はSunday Roastでローストビーフとなります。短期滞在の方もイギリスの主要メニューを網羅したいと言う方であれば、ガストロパブが良い選択肢でしょう。
②Brownsea Islandでキタリスに会ってみる
プールの南にはNational Trustが管理するBrownsea Islandという島があります。ここではキタリスが生息していることで有名です。因みに、ボーンマスやプール市内でもリスは居ますが、種類が異なります。Poole Quayからフェリーに乗って、キタリスに会いに行ってみてはいかがでしょうか。癒されること間違い無し。
③近くのビーチでくつろいでみる（夏季限定）
イギリスの海って港を想像する方が多いかもしれませんが、プールとボーンマスにはビーチがあります。上で紹介している通り、プールも港町の印象が強いかもしれませんが、Poole Bus Stationからバスで30分ほどの場所にサンドバンクスと呼ばれるビーチエリアがあります。夏になるとイギリスのビーチでは、アイスクリーム屋とフィッシュ&チップスの店で賑わっており、楽しいですよ。
④地元の美容院で髪を切ってみる（長期滞在者向け）
これはプールに限ったことではなく他の英国ローカル都市にも当てはまりますが、ロンドンとは異なり、日本人が経営している日系美容室はありません。私はわざわざロンドンまで散髪のためだけに行くのはどうかと思い、プール市内の美容院でカットしていたのですが、正直思った通りの仕上がりとはなりませんでした。よくSubwayの注文が思った通りに出来れば、英語がまぁまぁ話せるレベルと聞いて慢心してましたが、私はこれを機に「美容院で思った通りに仕上がれば英語が話せる」に指標を改めました。
少し勇気が要るかもしれませんが、失敗したらネタにもなるし、英語を勉強されている方は英語力を試す良い機会にもなりますね。是非試してみてはいかがでしょうか？
⑤Hight Streetで街ぶら！あの大人気コスメ店の第１号店に寄ってみる
Dolphin Shopping CentreからPoole Quayに向かって一本に道が伸びている道がHigh Streetです。
この通りのお店は地元民も観光客もよく使っています。銀行から中古のゲームショップまで幅広く店が揃っています。カフェも沢山あるので、時間があれば複数店舗試してみると面白いでしょう。因みに、日本でも大人気の英国発の石鹸ショップLUSHの第１号店は、ここプールのHigh Streetのお店です。良かったら探してみてください。
プール（Poole）まとめ
プールは知る人ぞ知るイギリスのローカルタウンです。長期滞在される方は、自己流の楽しみを見つけて快適に過ごしてみてください。旅行でストーンヘンジやダードルドアなどに行く方も、是非その機会にプールに立ち寄ってみてはいかがでしょうか。観光地の喧騒から離れ、ローカルタウンでのんびりするのも優雅な休日になりますよ。
次回は、日本の都市にしようか海外の都市にしようか未だ考え中です。お気づきの点などありましたら、ブログのコメント欄またはTwitterのDMやコメントにてお知らせください。
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